エムエム建材では、社員のサステナブルで働きやすい環境づくりに取り組んでいます。新しい制度や施策、今後の課題などについて、人事・総務部人事課の川原太地に話を聞きました。
※掲載している内容は2023年1月時点の情報です
<プロフィール>
人事・総務部人事課 課長 川原太地
2005年10月入社。審査部、内部統制推進室、経理部、中部支社管理課を経て2021年4月に人事課に異動。4か月の育児休業を取得し、2021年10月に復職。
就業時間の選択肢を増やして働きやすく
コロナ禍の3年で社会が劇的に変化し、働き方や個人の価値観が大きく変わりました。会社の制度も、そうした変化に合わせていく姿勢が求められていると感じます。
現在はコロナ禍の中での暫定措置ですが、「時差勤務」は多くの社員が活用しています。エムエム建材の定時は9:15〜17:30ですが、前後に1時間または30分ずつずらして、8:15〜16:30、8:45〜17:00、9:45〜18:00、10:15〜18:30を加えた全5パターンから選べるようになっています。
さらに2022年10月から、育児中の時短勤務制度を変更しました。それまで時短は「子どもが3歳になる前日まで」としていましたが、小学3年生の年度末まで利用できるようにしました。最短6時間から勤務時間を選択できます。
「業務職から地域限定総合職」への職掌転換を新設
2023年4月には、さらに業務職の方々のキャリアパスの「選択肢」を増やしました。以前から業務職から総合職への職掌転換の制度はありましたが、「地域限定総合職」という選択肢を新設しました。
地域限定総合職は、総合職でありながら転勤がありません。これまで「総合職になりたいけれど、家庭の事情で転勤できないので諦めるしかない」といった事情を抱えていた業務職の方々の職掌転換のハードルを下げるための、新たな制度になります。
これまで女性社員の中には結婚や出産を機に退職する人も多かったのですが、こうした制度を整備することにより、性別を問わず、長く働きやすい環境に近づけていきたいですね。
長期勤続社員にはリフレッシュ休暇を
2019年4月にできた「リフレッシュ休暇」も、活用推進したい制度です。勤続10年で5日間、20年・30年で10日間、連続した休暇が取得できるのですが、新設してから1年でコロナ禍に突入し、「リフレッシュのために遊びに行けるところがない」という状況になってしまいました。今後、ぜひ利用して、思い切り羽を伸ばしてほしいですね。
また、この制度については「5日、10日もまとめて取得しづらい」といった声も聞いています。制度の目的は長期勤続のかたのリフレッシュですから、「まとめて取得しやすい雰囲気づくり」も課題だと感じています。
在宅勤務を就業規則に入れるべく前向きに検討
コロナ禍の出口に差し掛かった今、大きな課題は「在宅勤務」の扱いです。
新型コロナウィルスの影響により、エムエム建材も国の指針に沿う形で出社率を抑え、在宅勤務を取り入れました。一時は3割出社にまで抑えました。
在宅勤務はエムエム建材の就業規則にはないため、内規で柔軟に対応してきましたが、コロナ禍が明けても在宅勤務の継続を望む声はあります。社員の働き方の選択肢が増えるよう在宅勤務制度を就業規則にも盛り込めればと考えています。
ただし、在宅勤務には、課題もあります。出勤時と同様に、コミュニケーションを図ることができるのか、若手社員や中途社員にレクチャーが行えるのか。
また、制度の「公平性」をどう考えるかは、非常に難しいところです。部署や仕事内容、相手先の事情等によって、在宅勤務がしやすい人・しづらい人がいますから。どういう制度設計にすれば社員の納得感が高く、利用しやすく、かつ業績向上につながるか、検討を進めていきます。
研修の拡充、従業員満足度の向上も目指す
社員の成長支援としては、従来から実施している階層別研修やビジネス研修に加え、最近では株主会社の研修プログラムも利用できるようになっており、より手厚い案内ができる予定です。
また、貿易事業の拡大強化に向けて、TOEICの受験支援も行っており、会社による検定料補助(年3回まで)や、点数に応じた英語研修費補助の制度を設けています。
2022年末には、社員のざっくばらんな意見を集めるために、第三者機関によるモチベーションサーベイを実施しました。そうした客観的なデータも参考にしながら、従業員満足度の向上を目指し、今後もサステナブルで働きやすい環境づくりに取り組んでいきます。
コロナ禍で社会が急激に変化し、個人の価値観の多様化が進む現在、人事課は、「誰もが働き続けやすい会社」にしていく使命を担っています。難題に向き合うその取り組みに、大きな期待が寄せられています。